こんにちは!Jinchaです!
今回は、【消防士の一日】を詳しく解説していきます‼
プロフィール
- 高校卒業後ストレートで消防士になれず、専門学校へ入学(公務員コース)
4~7月で猛勉強の末、10月採用枠で消防に内定
- 平成29年10月消防士として勤務
警防隊 拝命
- 令和2年4月特別救助隊 拝命
- 令和3年3月退職
- 令和3年4月~一般企業に転職
私の高校卒業後はこんな時系列になっています。
ついこの間まで消防士として奉職していたので、より現実味のある感想を述べていきたいと思います。
また業務内容や現場活動など一般的に知られていないこともお伝えできる範囲で書いていきます。
消防士とは?
消防士とは、地方公務員に分類されます。
火災や震災、交通事故、特殊災害(テロ、放射線物質除去…)などが発生した際に出動し、
国民の生命、身体及び財産を守る仕事です。
また、現場職員(24時間勤務、以後”当直”という)と本部職員(日勤)と分けられており、
24時間365日いつでも出動できる体制を整えています。
階級制度
消防には”階級”があり、一番最初は”消防士”です。
全部で10階級存在し最終学歴や年齢などを考慮し昇任試験を受けます。
大卒の方が高卒よりも早く試験を受けることができます。
階級画像
当直職員と本部職員
同じ消防でも当直職員と本部職員の二つに分かれます。
当直職員(24時間勤務)は朝から次の日の朝までが仕事となります。
本部職員は朝から夕方までと一般的な企業と同じ勤務形態です。
現場に向かい消火作業や災害対応を主とするのが当直職員。
採用に関すること、各種届出の対応、新築建物の完成検査を行うのが本部職員となります。
消防学校とはどんなところ?
消防学校とは、消防本部に採用されてから行く学校です。
初任教育科(通称:初任科)や警防科、救助科など様々な教育を受けることができる場です。
当時の私は、

消防学校に行き卒業してから採用試験を受けないといけないのかな?
と思っていたのですが、そうではありません!
消防本部に採用されてから行くものです。
しかし、採用後すぐに行けるとも限りません!
採用後すぐに行ける人もいれば、1年所属で働いてから消防学校へ入校する人もいます。
ちなみに私は半年間所属で働いてから入校しました。
いずれにせよ、初任科は全員が行くことになります‼
消防学校一日の流れ
私が行った消防学校は、月曜の朝に自宅から学校まで行きました。
そして金曜まで学校で宿泊し、夜に自宅へ帰るというサイクルでした。
これが半年間続きます。
- 6時起床
布団をたたみ、身なりを整える
- 6時20分日朝点呼
体操や30分ほどのランニング
- 7時ごろ朝食
- 8時30分~座学や訓練
朝食を食べすぐに座学や訓練になります。
基本的には高校のように各教科ごとに担当教官が異なり、
屋内・屋外訓練場に分隊ごとに移動します。
もちろん、私語は厳禁です。
- 12時昼食
- 13時~座学や訓練
- 17時30分ごろ掃除、入浴、夕食
授業が終わり次第指定の体操着に着替え、掃除を行います。
終了後は夕食、入浴です。
ご飯の時も分隊全員が揃ってからじゃないと食べられません。
協調性が磨かれます。
- 以降日誌やトレーニング
一日を振り返って日誌の記入も毎日書き、担当教官へ提出します。
授業後は基本的にフリーとなりますが、緊急収集や夜間訓練などが急に始まることもあります。
災害はいつ起きるかわからないので、すぐに出動できるようになるための訓練です。
- 21時ごろ日夕点呼
夜の点呼が終わり、就寝となります。
ちなみに、寝ている間も館内放送で緊急収集されることもあります。
もちろん、体操着から活動服に着替えて分隊ごとに移動です。
所属での一日の流れ
次に、所属での一日の流れを紹介します。
各消防本部によって交代時間や班の数など変わってきます。
実際に私が勤務していた消防本部は2交代制の8時30分交代でした。
- 8時ごろ出勤
- 8時30分大交代
車両点検や資機材の点検
- 8時45分ごろ朝の申し送り
- 9時~11時30分訓練や事務処理
- 11時30分~当直職員の昼ご飯の準備
- 12時~13時昼休憩
- 13時~15時30分訓練や事務処理
- 15時30分~当直職員の夜ご飯の準備
20人ほどの量を若い職員3,4人で作ります。
- 17時~19時休憩
- 19時~20時夜間訓練
- 20時~23時個人訓練や事務処理
その日の訓練の振り返りや、苦手とするものの訓練を行います。
- 23時~入浴(シャワーのみ)
- 24時~仮眠
- 翌6時起床
車両手入れ、点検、清掃、朝食の準備(昨晩の残りや各自準備しているもの)
- 8時申し送り
- 8時30分大交代
大まかな一日の流れです。
休憩時間や仮眠時間中に出動指令が流れたら関係なしに即出動です。
夜に火災出動し、翌朝まで消火活動や残火処理でオールすることもよくあります。
出動について
先ほども話した通り、休憩時間や仮眠時間に指令が流れたら出動します。
火災では防火衣に呼吸器、救助でやPA連携では感染防止衣を着装し出動します。
1秒でも早く車両に乗り込み、出動できるように準備は欠かさずに行います。
また、救助活動中にほかで火災があった場合でも出動(転戦という)できるように装備品は出動時に車両にすべて積み込みます。
現場の内容
⚠ここからは、かなりリアルに記載しますので見たくない人、考えたくない方は飛ばしてください。
比較的軽微な事案から精神的にくる事案まで、様々な事案があります。
ここでは、私が実際に出動した事案の中で悲惨な事案を3つ紹介します。
1 夏場の孤独死
夏場の孤独死はすぐに腐ります。しかも発見されるまでに時間も経っているのでなおさら・・・
家中ハエやウジが湧き、体は変色(深緑色のような)し溶けてありものすごい臭いが漂います。(腐卵臭)
床も溶けた体液で濡れており、染み込んでいたりもします。
消防隊の主な活動内容としては、明らかに亡くなっている場合は特に何もせず警察へ現場を引き渡し、活動は終了します。
2 水死体
時間が経っている水死体は触るだけで皮膚、肉が崩れだし救出が困難です。
また、海水を含んでいるので体は重たく変色しています。
海や川から救出した後は警察へ遺体を引き渡し、消防職員代表1名が警察署へ行きます。
※各市町村によっては行かない場合もあります。
事件性がある場合、遺体のキズに指をさし写真を撮影するためです。
警察署での指差し写真は、第三者を含め信頼性を上げるためらしいです。
遺体は、死んだ魚のような目をしており、黒目も白く濁ったようになっています。
実際に私も警察署へ行き、指差し写真を撮りました。
3 電車の人身事故
この中で比較的発生件数が多いのは、人身事故です。
特急列車への飛び込み、踏切内への立ち入り・・・
骨が関節は外れ、あらぬ方向へ折れ曲がっています。
酷いときだと体は車輪に巻き込まれバラバラになり、回収しなければなりません。
更には、電車の下にいる場合だと潜り込んで抱え、引きずりださなければなりません。
ブルーシートで遺体をパッキング(包み込むこと)しますが、ほんと目の前にいるので精神的ダメージはかなり大きいです。
先輩職員でも、人身事故の影響でPTSD(心的外傷後ストレス障害)になり食事も摂れない方もいました。
消防職員になるために必要なもの
消防職員になるために必要なものは
・積極性
・向上心
・協調性
この3つになります。
積極性
自ら仕事を探し、何事においても『やります』という姿勢が大事です。
24時間勤務ということもあり、第一印象と1年目の勤務姿勢が今後の消防人生に大きく関わってきます。
また、悪い印象がついてしまうとウワサは一気に広まってしまうのも消防の特徴の一つです。
向上心
常に先を見据えて勤務することが大事です。自分はどこまでの階級になりたいのか、目指したい役職は?どこの課で働きたいのか・・・
とても重要になってきます。
年に2回ほど人事面談があり、異動の希望や将来像など問われる場合があるので決めておかなければなりません。
公務員は”クビ”がないため、堕落することもできますが果たしてそれは自分や周りにとっていい存在でいられるのでしょうか。
周りに左右されず向上心を常に持ち続けましょう。
協調性
消防は24時間勤務という特殊な勤務体制なので一般企業よりも協調性がかなり求められます。
自分の意見や考えを持ちつつ、隊長の考えに合わせ活動しより良い隊にすることが重要です。
協調性が無いと活動に支障がでる他、私生活でも円滑な立ち回りはできないでしょう。

消防士になるのも難しそうだけど、なってからも色々と苦労しそうだな・・・
以上、元消防士による実際の生活と必要なものでした。
地域に方の役に立つ、助ける、守るといった業務が主であり任務であります。
消防士を目指して頑張りたい方に少しでも力になれたでしょうか??
頑張って消防士になってくださいね‼
コメント